2022年

  • 「EL急行」・青部~崎平・大井川第二橋梁

    大井川鐵道 青部~崎平にて

    綺麗な青空が広がったこの日、必要な作業を放棄して撮影に出掛けた。
    新緑が眩しい絶好の撮影日和、シャッターを押さないと具合が悪くなってしまう。
    カメラバックに機材を詰め込み、362号を北上した。
    祝日のため交通量の増えた酷道、各所で対向車待ちを行う。
    富士城を越えた先にあるトンネル工事、終わりが見えないのか工事期間が延びていた。

    定番の第二橋梁、久し振りに長靴を履いて河原に下りてみた。
    レンズを変えながら構図を思案、背景の雲が良さげなので広角を選択。
    上りの10列車が通過して、しばらくすると遠くで汽笛が響いた。
    新緑に映える西武カラー、すっかり季節は夏光線となっていた。
    (EOS 5D Mark IV + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 「南アルプス51号」・青部駅・旧客夜行

    大井川鐵道 青部駅にて

    日本旅行主催の旅行商品として企画された旧客夜行。
    夜から翌朝にかけて新金谷~千頭間を2往復するダイヤで、千頭駅到着は6:58。
    真っ先に浮かんだこの構図、4月なら綺麗な朝日が当たるだろう。
    前日も訪れた大井川沿線、この日は早朝4時に自宅を出発した。
    野生動物の飛び出しに注意しながら362号を走り抜け、5時過ぎには現着。
    多数の先客を予想していたところ誰もおらず拍子抜け、みんなどこで撮るのだろう?

    三脚だけ据えてレンズを変えて試し撮り、いつも通りのサンニッパに落ち着いた。
    しばらくして続々と集まる同業者、やはり皆考えることは同じらしい。
    綺麗な朝焼けに包まれた青部駅、気付けば過去最高の動員となった。

    お手軽にアクセスできるこのアングル、地味に構図を組むのが難しい。
    好みの問題ではあるが、背景の架線柱をカットすると画面左が窮屈になってしまう。
    また、この場所は切り位置前後の軌道が向かって右に沈んでいる。
    この日もカメラ内の水準器では水平が出ていたが、モニターに表示された画像は右に傾いて見えた。
    DPPで現像する際に-0.75傾きを補正、しっくりする画像が仕上がった。
    (EOS 5D Mark IV + EF300mm f/2.8L IS II USM)

  • 「115系&143系コンプリート撮影会」・新潟車両センター

    新潟車両センターにて

    地元では10年以上前に運用から撤退し、見掛ける機会が少なくなった115系。
    新潟地区では多様なカラーリングが見られ、いつか訪問したいと考えていた。
    「新緑の時期に訪れよう」そう思っていた矢先、ダイヤ改正で運用離脱。
    新型車両への置き換えが完了し、もっと早く行けば良かったと後悔する。

    そんな中、JREモールで告知された「115系&143系コンプリート撮影会」。
    語呂合わせで¥39,115という価格設定、往復の新幹線代を考慮すると7万円を超えてしまう。
    複数回開催された検修庫内での企画も気になっていたが、勤務日と折り合いが悪く断念していた。
    今回は偶然休みと重なり、2日目なら問題なく参加できそうであった。
    軽い気持ちでえきねっとを覗くと、トクだ値15%がまだ予約可能。
    「払戻手数料なら¥320で済む…」悪魔のささやきもあり、気付くと往復の予約完了メールが届いていた。
    財務大臣に相談すると渋い顔、家計は既に火の車である。
    「自分自身の操作で予約戦争に勝ったら行けば?」という有り難いお言葉を頂戴した。

    発売開始は3月16日、12時の発売開始に合わせて自宅PC前に陣取る。
    事前に購入歴があるのでクレカ情報は登録済み、ログインを済ませて待機する。
    前売り10時打ちのような緊張感、12時ちょうどから少し遅れて発売中の表示が出た。
    アクセス集中により重くなったページを進み、カートに入れる。
    連絡先の入力に手こずったものの、なんとか12:01には「ご注文ありがとうございました」のメールを受信することができた。
    これで来月の赤字は確実なものとなった。

    撮影会前夜、N700系~E7系と乗り継ぎ新潟着。
    駅前の東横インで前泊、翌日の好天を願い就寝。
    迎えた当日、新潟駅前は今にも泣き出しそうな分厚い雲が広がっていた。
    「どうして…」日頃の行いを責めたのは言うまでもない。
    会場では圧巻の8編成並びが展開され、小雨降り出す曇天に悔しさが込み上げてきた。

    「国境の長いトンネルを抜けると快晴であった。」帰りの新幹線、窓の外には綺麗な青空が広がっていた。
    (EOS 5D Mark IV + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 311系「938M」・新居町~弁天島・第三浜名橋梁

    東海道本線 新居町~弁天島にて

    ダイヤ改正を控え、友人から「静岡地区での311系運用が無くなる」という話を聞いた。
    静岡駅まで乗り入れる運用は深夜~早朝の1往復と限られ、撮影機会の少ない形式であった。
    静岡地区らしい記録を残そうと、前回は第一浜名橋梁へ向かった。
    特に運用を調べずに構えるも、目当ての311系がやって来ない。
    どうやら運用が想像以上に少ないらしく、日を改めて再訪することにした。

    前回訪問から半月後、晴れ予報が出た休日に再度弁天島へ向かった。
    狙いは11時頃に通過する938M、311系の8両編成で運転される。
    前回の第一浜名橋梁では時間的に側面が弱いと踏んで、この日は第三浜名橋梁で構えることにした。
    強風吹き付ける中、無事に撮影終了。
    その後、対岸で新幹線を撮影しその日は帰路に就いた。

    帰宅後PCを確認すると、少し画面が窮屈な印象を受けた。
    再戦は早い方が良い、1週間後に三度訪問した。
    5D4には50mm・7D2には24-70㎜を据えて、この日も938Mを狙う。
    110km/hで飛ばしてくる鉄橋上、バランス良く収めるシャッターチャンスは一瞬である。
    モニターで出来上がりを比較、気に入ったのは7D2の1枚であった。

    ダイヤ改正前の3/8、豊橋から浜松までG10編成に乗車。
    GG編成のような加減速の悪さ、上がらぬ速度・効かないブレーキ。
    一方で「お金を使って作りました」感が、平成初期の車両らしくて好きだった。
    (EOS 7D Mark II + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 「206列車」・長島ダム~アプトいちしろ・うさぎ辻展望台

    井川線 長島ダム~アプトいちしろにて

    この日は後輩の車に便乗し、朝から奥大井へ向かった。
    後輩の園芸を手伝いつつ、千頭駅前の「cafeうえまる」で昼食。
    唐揚げ定食がサクサクでおすすめ、ブルーベリースムージーも美味しい。
    うえまるのブルーベリーは自家製で、白沢温泉「もりのいずみ」近くに農園があるらしい。

    頻繁に通行不能になってしまう町道栗代線、この日も各所に落石が転がっていた。
    うさぎ辻展望台、長島ダムを背にアプト区間をゆく井川線を撮影することができる。
    急速に伸びる山影、もう少しで影に沈もうかというタイミングで206列車がやって来た。
    (EOS 5D Mark IV + EF200mm F2.8L USM)

  • 「N700S・J18編成」・浜松~豊橋・第三浜名橋梁

    東海道新幹線 浜松~豊橋にて

    11時頃に通過する938Mを狙いに、この日は第三浜名橋梁へ。
    311系の8両編成で運転される938M、ダイヤ改正で静岡地区では見納めになるらしい。
    撮影後、空を見上げると綺麗な冬晴れ。
    貴重な晴れ間を活かすべく、以前から気になっていた対岸の撮影地をロケハンすることにした。

    電車からもよく目立つ「つり船・東京屋」の看板、こちらの敷地を通ってアクセスするらしい。
    手ぶらで挨拶も申し訳ないので、近くのローソンでスイーツを購入してインターホンを押した。
    「新幹線の写真を撮らせていただきたいのですが…」同じような訪問者が多いのか、快諾していただいた。
    階段を下りて、かなり狭い足元に注意しながら東海道線の鉄橋をくぐる。
    その先には、よく目にする新幹線の撮影スポットが広がっていた。
    午後も安定した青空が広がり、構図を変えながら浜名湖をゆく新幹線を撮影できた。
    次回はしっかりした手土産を持参しようと思いつつ、この日は帰路に就いた。
    (EOS 5D Mark IV + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 「田端運転所 夜間撮影会」

    田端運転所にて

    「往年の名機、一堂に会す。」と共に、もう一つ注目していた田端運転所の撮影会。
    昨年開催分の写真に刺激を受け、機会があれば参加したいと考えていた。
    比較的直近の日程で突如告知されるJREモール、今回はタイミング良く夕方の部に参加できそうだった。
    幸い定期券の購入などでJREポイントが貯まっており、財務大臣の許可もすんなり下りた。
    予約開始は1/25の12:00~、この日も出勤だったため妻に予約をお願いした。

    恐らく一番人気の高い夕方の部、僅か30名の枠を確保できるか不安がよぎる。
    昼休憩開始を告げるチャイムと共にメールの通知音、確認すると「ご注文ありがとうございました」の文字が踊る。
    さすが幾千の修羅場をくぐり抜けた猛者である、曰く「メールマガジンのチェックを外す余裕があった」とのこと。
    この日はいつも以上に頭を低くして家の敷居を跨いだのであった。

    迎えた当日、夕方の空は雲が多いものの時折青空も広がっていた。
    一番乗りで受付を済ませ、運転所内の広場に集合した。
    広場には朝礼台が設けてあり、恐らくここで朝の体操を行うのだろう。
    こういった場所には池があり、網の重りは制輪子というのはどこもお決まりらしい。
    スタッフの説明が終わると会場へ移動、そこには圧巻の光景が広がっていた。
    手前の81号機には「北斗星」のヘッドマーク、思い返すと2014年の室蘭本線以来だった。
    正面から狙うと強い光源に悩まされる夜間撮影、角度を変えつつ思い思いの場所で写すことができた。
    大満足の60分間、また機会があれば参加してみたい。

    この撮影会が終わった頃から、機関車側面にある電暖灯の撤去が始まった様子。
    ホームドア設置に関係する改修らしく、撮影会中の点灯は職員の方の心遣いだったのかもしれない。
    (EOS 5D Mark IV + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 「往年の名機、一堂に会す。」・品川駅構内

    品川駅構内車両基地にて

    せっかくの機会なので、この日はフィルムでも同時に記録してみた。
    以前ヤフオクで落札したEOS-1N、多少傷はあったものの動作は問題ない様子。
    中学生の頃憧れていた一桁機が驚きの低価格、まさか1万円以下で手に入るとは思わなかった。
    前回詰めたベルビア100が残っていたので、そのまま会場に持ってきた。

    中学生の頃はネガフィルムで活動していたので、曇天化におけるポジフィルムは未知の世界。
    ISO100に設定した5D4の値を参考に、いくつか露出を変えて撮影してみた。
    「ガシャン」デジに比べて重厚なシャッター音を噛み締めつつ、気付けば36枚撮りフィルムを撮り終えた。

    翌日カメラのキタムラで現像とDVDデータ化を依頼、納期は2~3週間とのこと。
    最近はフィルム需要も減っており、以前に比べて納品まで時間が掛かるらしい。
    後日、仕上がったスリーブを見て一安心。
    そこには幼少期絵本で見た寝台特急「さくら」が記憶の色そのままに再現されていた。
    (EOS-1N HS + EF50mm F1.4 USM / RVP 100)

  • 「3981A」・静岡~掛川・持船城跡・ドクターイエロー

    東海道新幹線 静岡~掛川にて

    特に予定の無い休日、窓を開けると青空が広がっていた。
    遠出するには朝遅く、どこか近場で撮れる場所を思案する。
    調べると「こだま検測」の運転日らしく、11時台に静岡近辺を下る様子。
    2年前「のぞみ検測」で訪れた、用宗駅近くの高台から狙ってみることにした。

    用宗水神社横の急坂を登ると、持船城址の小さな駐車場に辿り着く。
    ドクターイエローの運転日だけあって、地元の方が何人かカメラを構えられていた。
    前回は70㎜でワンスパン先で切り撮ったので、今回は40㎜で手前まで引いてみる。
    小坂川沿いの紅梅がうっすらと色付き、春の到来を予感させる一枚となった。

    撮影後は、最近注目を集めているスポット・用宗港へ立ち寄った。
    ハットパーク用宗にて昼食、GRATEFUL’Sのバーガーは種類も豊富で近いうちに再訪したい。
    食後は用宗みなと温泉へ、天然水の水風呂で「ととのい」のんびり過ごすことができた。
    (EOS 5D Mark IV + EF40mm F2.8 STM)

  • 「往年の名機、一堂に会す。」・品川駅構内

    品川駅構内車両基地にて

    何気なくTwitterで見付けた撮影会、詳細を見ると驚きの内容だった。
    1/29・1/30の2日間、品川駅構内の車両基地に機関車3両と185系を並べるとのこと。
    EF65-501・EF66-27・EF65-1115、前面には東海道で活躍した往時のヘッドマークを掲げるらしい。
    幼少期憧れたブルートレイン、再びその姿を拝めるとなれば是が非でも参加したい。

    予約開始を前にネット上では既に話題となっており、熾烈なチケット戦争が予想された。
    手元の予定表を確認すると、1/29の夕方は奥大井で用事があり翌1/30は泊まりであった。
    必然的に行ける枠は1/29の8:00~の回に絞られ、1枠をピンポイントで狙うことになった。
    ¥27,000という価格設定ではあったが、事の重大さを熱く語り、我が家の財務大臣から許可が降りた。
    予約開始は1/19の12時~、当日は出勤だったため妻に予約の手順を伝え望みを託すことにした。

    迎えた予約開始日、11時半を過ぎた頃から気になってソワソワする。
    午前中終了を知らせるチャイムが鳴り、携帯を開くとJR東日本・東京支社からメールが届いていた。
    「ご注文ありがとうございました」文面を確認するとガッツポーズ、すぐにお礼の連絡を入れた。
    かつて舞台オタクとして活動していた妻曰く「チケットが取れないと土俵にすら立てない」とのこと。
    さすが数々の公演をくぐり抜けてきた精鋭である、これほど頼もしく思えたことがあっただろうか。

    迎えた当日、生憎の曇天ではあったものの月見線に並ぶ列車たちを見て胸が熱くなった。
    ありきたりな構図かもしれないが夢中でシャッターを切り、気付けば時間が過ぎっていった。
    年度初から計画がスタートしたという今回の企画、コロナ禍もあり関係箇所との調整は多くの苦労を伴ったと想像される。
    ヘッドマークは大宮の鉄道博物館から用意するなど、随所にこだわりを感じた。
    往年の憧景に再度出会うことができ、企画・運営頂いた方々に再度感謝の意を伝えたいと思う。

    機関区も解体され綺麗に整備された車両基地であったが、かつてはこの地から多くの機関士が西へ向けて出区していった。
    またいつか再訪できることを願って、次回は夜の部にも参加してみたい。
    (EOS 5D Mark IV + EF70-200mm f/2.8L IS II USM)