6月18日「485系ひばり」馬牛沼

東北本線 白石~越河にて

2016年にJR東日本・仙台支社が企画した485系引退に伴うラストランイベント。
国鉄色を纏う485系最後の勇姿を収めるべく前日から福島入りした。
前夜は同業他社へ就職した同期と福島駅で合流、翌朝に備え先にレンタカーだけピックアップした。
福島は円盤餃子が有名らしく、同期おすすめの店にて初めて実食。
宇都宮や浜松の餃子と違い、表面がパリッと焼けた揚餃子に近い印象だった。

翌朝は期待通りの好天、ハンドルを握る手にも力が入る。
有名撮影地の1つ、馬牛沼と呼ばれるお立ち台には早朝から多くのカメラマンが集結していた。
手持ちのレンズで収まりが良さそうな立ち位置に三脚を据え、通過時刻まで待機する。
いわゆる「激パ」と呼ばれる大集結、久し振りに味わう空気感だった。
上段の俯瞰も含めると何人いたのだろうか、最終的には300人程集まったのではないだろうか。
定刻より少し遅れて、森の向こう側からタイフォンが聞こえてきた。
動画の録画ボタンが押され、周囲に静寂が訪れる。
カーブの先から3灯のライトが見えると緊張は最高潮、嵐のようなシャッター音が響き渡る。
遠のくMT54のモーター音、通過後拍手が巻き起こった。
(EOS 7D Mark II + EF50mm F1.4 USM)

6月25日「E257系かいじ」ぶどうの丘俯瞰

中央本線 塩山~勝沼ぶどう郷にて

後輩と終夜運転で未明の中央道を下り、早朝の姨捨俯瞰にやってきたこの日。
「おはようライナー」の回送は薄く靄がかかり全開露出とはならず。
篠ノ井線や中央西線を撮影しつつ、1日掛けて中央東線沿いを南下してきた。
6月も後半となり、日中は高かった太陽高度も夕方になると程良く傾いてきた。
1日の締めくくりとして三脚を据えたのは、南アルプス・甲府盆地を一望できる「ぶどうの丘」。
駐車場近くの展望台から、勝沼ぶどう郷駅付近をゆく列車を俯瞰することができる。
緑深くなった段々畑の背景に夏らしい雲が広がり、50㎜で構えるとピッタリとハマった。
時刻表を調べると、甲府発の「かいじ」がタイミング良くやって来そう。
塩山方を眺望していると、「武田菱」塗装のE257系がゆっくりと近付いてきた。

撮影後は併設の「天空の湯」で一風呂浴びてから帰ることにした。
甲府盆地に沈みゆく夕日を眺めながらの露天風呂は絶景で、また再訪したいと思う。
(EOS 5D Mark IV + EF50mm F1.4 USM)

長坂カーブ「あずさ」E257系

中央本線 小淵沢~長坂にて

青春18きっぷの消化を兼ねて、この日は中央線を甲府方面へ向かっていた。
115系のボックスシートに後輩と2人、趣味話に花を咲かせながら長坂駅で下車。
駅から15分程歩くと、有名撮影地「長坂のカーブ」に到着した。
コンクリート工場横の法面に位置するこの場所は、八ヶ岳をバックにカーブを描く列車を捉えることができる。
特に何か珍しい列車が通る日ではなかったため、2人でのんびりと撮影していた記憶がある。
吹き付ける風が冷たく、途中近くのセブンイレブンで買った肉まんが美味しかったのを覚えている。

鉄道ファンから「武田菱」の愛称で親しまれたこの塗装、先日ついに消滅してしまったらしい。
カラフルな塗装が景色に映え、中央東線のシンボル的存在であったと思う。
(New EOS Kiss + EF55-200mm F4.5-5.6 II USM)

4月13日「小湊鐵道」飯給入線

小湊鐵道 飯給駅にて

横浜の実家からアクアラインで1時間半、この日も後輩と共に房総半島へやって来た。
2日前にも同じく撮影に来ていたが、曇天にやられ咲き誇る菜の花を活かせなかった。
この日は朝から雲一つ無い快晴、午前中は石神地区の菜の花畑で狙っていたカットを抑えることができた。
昼過ぎから雲が広がることが多い地域であるが、午後になっても安定した空模様が続いていた。

沿線を流していると辿り着いた飯給駅、ちょうど駅前の桜が綺麗に咲いていた。
踏切脇から構えると良い具合に桜と菜の花を絡めることができ、久し振りに心躍る情景に出会うことができた。
ワクワクしながらカメラをセットし、列車の到着を待つ。
振り返っても太陽周りに雲の姿は見えず、これは最高の一枚が生まれるかもしれない。
やがて遠くで小さなタイフォンが聞こえると、2両編成のディーゼルカーがホームに滑り込んできた。

今までの撮り鉄人生の中で最も手応えを感じた瞬間だったかもしれない。
翌年の「四季のローカル線カレンダー」表紙になった思い出の一枚。
(EOS 30D + EF70-200mm F2.8L USM)

根ノ上踏切「富士・はやぶさ」EF66-46

東海道本線 根府川〜早川にて

中学生になって行動範囲が広がると、駅撮りだけでは満足できなくなってきた。
鉄道雑誌で気になる写真を見付けては区間を覚え、どうやってアクセスするのか検索して調べていった。
根ノ上踏切もそうして知った場所の1つだった。
根府川駅から徒歩30分程の場所にある小さな踏切で、画面奥に見える米神踏切を通過してS字を描く上り列車を捉えることができる。
早朝の東海道線に揺られ根府川駅で下車、交通量の多い135号線を足早に歩き米神のカーブへ。
その後、根ノ上踏切・佐奈田の俯瞰と移動しながら石橋地区で夕方まで撮影するのが定番の流れになっていた。

この日の「富士・はやぶさ」は2時間程遅れていたと思う。
長距離列車ゆえ遅延は珍しくなかったが、当時スマホも無かったため運行情報の取得に苦労した記憶がある。
踏切が鳴る度に←→を確認し、カーブの先を見つめて備えていた。
「ロクロク」の姿が見え緊張が高まる、指先に力を込めて切り取った思い出の一枚。
(New EOS Kiss + EF55-200mm F4.5-5.6 II USM)

3月10日「かわね路2号」笹間渡発車

大井川鐵道 川根温泉笹間渡~抜里にて

県道63号線沿いにある川根温泉・ふれあいの泉。
日帰り入浴が520円と手頃な料金で、休日には駐車場が一杯になる人気のスポット。
線路を挟んだ場所には温泉付きのコテージもあり、夏休み期間の予約は熾烈を極める。
歩道から駅を発車する上り列車を撮影でき、発車場面となるため上りSL列車の煙が期待できる数少ないポイントでもある。

普段ならパスする雨天でも、SLなら雰囲気が出るだろうと撮影に出掛けたこの日。
途中想像以上に雨脚が強くなり、上着が濡れて肌寒くなってきた。
いつものように歩道の傍らでカメラを構えるも露出は上がらず、ISO6400と厳しい条件。
15時半過ぎ、笹間渡を発車するSLの白煙が上がりゆっくりと近付いてきた。
ファインダー越しにタイミングを図ると切り位置手前でドレーン吐出、心の中でガッツポーズ。
気温が低いおかげで綺麗な白煙となり、迫力ある1枚を物にすることができた。

撮影後、濡れた身体を温めるため温泉へ。
ふれあいの泉の露天風呂・右奥にある湯はとても熱い。
個人的にこれより熱い風呂に入ったことがないが、熱い湯が好きな人は是非試してみてほしい。
(EOS 5D Mark IV + EF300mm f/2.8L IS II USM)

12月11日「はこね6号」秦野の富士山バック

小田急線 渋沢~秦野にて

冬晴れの関東、朝起きると富士山が綺麗に見えていた。
空気が澄んでいるこの時期なら、LSEと富士山の組み合わせもバッチリ決まるはずである。
現地に着くと先客が数名、条件が揃うと皆考えることは同じらしい。
線路際の歩道から上り列車を撮るこのアングル、連なる架線柱から富士山を抜く位置が難しく右往左往する。
構えてみると案外望遠が必要なことが分かり、焦点距離が1.6倍となる7Dをチョイスした。
超望遠の画角となると、僅かなズレでも命取りとなるため慎重に構図を決める。
雲一つ無い安定した空模様の中、遠目にバーミリオンオレンジの車体が見えた。
先頭車が影を抜けたタイミングで高速連写、無事に狙っていたカットを持ち帰ることができた。
(EOS 7D Mark II + EF300mm f/2.8L IS II USM)

2月5日「はこね31号」富水カーブ

小田急線 栢山~富水にて

引退迫るLSEを狙いに、この日は富水のカーブにやって来た。
駅北側の踏切付近から、夕方の小田原方面へ向かう列車を撮影できる。
この日は15時過ぎに通過する「はこね31号」がターゲット、液晶画面を見ながら画角を調整する。
このアングル、柵の間からカメラをセッティングするため上下左右の余裕があまりない。
背景をボカして被写体を浮かび上がらせるために絞りはほぼ開放、置きピンの位置がかなりシビア。
何度か試し撮りをする中でやっとアングルが決まり、いよいよ本番の時間が迫る。
遠目に踏切が鳴り、バーミリオンオレンジの車体が姿を見せた。
呼吸を整え一瞬のタメを作る、気合の一発切りでLSEを仕留めた。
(EOS 5D Mark IV + EF70-200mm f/2.8L IS II USM)


9月3日「1126D」男鹿線

羽立~脇本にて

秋田~高崎までEF81牽引の旧客回送があると聞き、後輩と遠征することにした。
前日は過去最速で職場から退勤し、午前中には出発することができた。
新横浜駅で後輩をピックアップし、2M体制で首都高~常磐道~東北道を北上した。
秋田に着いたのは21時過ぎ、まるまつ秋田中央店で遅い夕飯を済ませた。

翌朝、行きがけの駄賃に秋田のキハ40系列を仕留めようと男鹿線沿線へ立ち寄った。
朝一の5両編成を船越水道で狙うも流れてきた雲がクリーンヒット。
気を取り直して脇本駅の辺りまで移動してみると安定した晴れ間が広がってきた。
順光になりそうなカーブを見付け、道路脇に三脚を構える。
縦構図で構えると、背景に緑豊かな木々が写り込み良さげな雰囲気。
9月に入っても残暑厳しい暑さの中、カーブの先から秋田行きの普通列車がやって来た。
(EOS 5D Mark IV + EF300mm f/2.8L IS II USM)

5月3日「ふるさと雷鳥」北陸トンネルバック

北陸本線 敦賀~南今庄にて

高1のGW、ムーンライトながらに乗って後輩と撮影旅行に出掛けた。
あいにく空いていたのがセミコンパートメント席のみで、若干気まずい相席の中で一夜を過ごした。
米原で北陸線に乗り換え、敦賀の1つ先・南今庄で下車した。
駅から少し敦賀方に歩くと北陸トンネルの出口があり、望遠レンズでトンネルを飛び出してくる姿を捉える事ができる。
この日は489系金沢車を使用した臨時の「ふるさと雷鳥」が運転されるとあって、沿線には多くのカメラマンが見られた。
この撮影地、トンネル出口に列車が近付いてくると轟音が響くので列車の接近が分かりやすい。
暗闇の先に特徴的なボンネット顔が浮かび、無事写し止めることができた。

当時は「臨時」ではなく「雷鳥」ヘッドマークを掲げてくれたらと思っていたが、今見返すとこれはこれで貴重な姿かもしれない。
「雷鳥」引退から10年、すっかり足が遠のいてしまった北陸路をまた再訪したいと思う。
(EOS 30D + EF70-200mm F2.8L USM)