2022年

  • 「EF64コンプリート撮影会」・長岡車両センター

    長岡車両センターにて

    「もうこれが最後ね…」赤く染まる家計簿を前に、苦渋の選択を迫られた。
    2022年は有料撮影会が多く企画され、品川・田端・新潟・吹田と参加することができた。
    JR東日本では数年以内に電気機関車が淘汰されるため、「今しかない」と説得して予算を捻出していた。
    被写体を前に感覚が麻痺していたが、高頻度で数万円単位の出費は家計に大きなダメージを与えていた。
    しかし、「あけぼの」「北陸」だけでなく「鳥海」「出羽」も同時に拝める機会は唯一無二。
    「そもそも予約できないかもしれない、費用はその後考えよう」申込日は仕事のため妻に予約をお願いした。
    迎えた予約開始時刻、1分後には新潟支社からのメールを受信していた。
    歴戦のチケ取り争奪戦で鍛えられた猛者にとって、そこまで難易度は高くなかった様子。
    最後の撮影会になるかもしれないが、参加権を無事に得ることができた。

    全国旅行業支援の期間だったこともあり、前日は長野で小諸そばを食し善光寺詣りを済ませた。
    当日昼前に現地入り、午前中の会では少し晴れ間があったらしい。
    空を見上げると、どんよりとした雲が広がるも僅かに青空も見える。
    午後の部が始まり、時折日差しが復活するタイミングが出てきた。
    本命は6両横並びでのヘッドマーク掲出、このタイミングで太陽に頑張ってほしい。
    参加者の願いが通じたのか、再度西の空に雲の切れ目が出現した。
    西日を浴びて勢揃いするEF64、静まる会場にシャッター音が響く。
    数分後に太陽が雲隠れ、運良く狙いのカットを持ち帰ることができた。
    (EOS 5D Mark IV + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 「きかんしゃトビー」・土本駅

    井川線 土本駅にて

    2017年に購入した5DⅣ、3000万画素を超えるセンサーで多くのシーンを切り取ってきた。
    従来使用してきた5DⅡに比べ連写も速く、AF測距点も多いため使いやすい機体だった。
    自分自身の腕が未熟なこともあり、カメラ性能に助けられることも多かった。

    段々と周囲がミラーレスに乗り換える中、CanonからR6Ⅱ発売のお知らせ。
    進化したトラッキング性能、後輩曰く「ミラーレスのAFは従来の比じゃない」とのこと。
    今なら5DⅣも10万円程の値が付く、悩んだ末に下取交換を依頼することにした。

    12月下旬に入荷見通しのメールを受信、下取前に5DⅣのラストランへ出掛けた。
    家山駅で往復するSLを撮影後、LINEクーポン使用も兼ねて北上した。
    午後は14時台から山影迫る冬の井川線、トビー3便の折り返しまで間に合うだろうか。
    HPには奥泉駅折り返しの時刻が載っていないため、接近音に耳を澄ませる。
    構図奥の暗闇が広がる中、井川線独特のレールが軋む音が聞こえてきた。

    5DⅣや7DⅡのAIサーボは、3~4コマに一枚当たりがあるイメージだった。
    これから導入するミラーレス機ではどうなるのか、楽しみにしたいと思う。
    (EOS 5D Mark IV + EF70-200mm f/2.8L IS II USM)

  • 「吹田機関区の機関車撮影会~吹田機関区所属名機そろい踏み!~」

    吹田機関区にて

    集合時間10分前になっても同業者の姿が見えない駅前ロータリー、何かがおかしい。
    ふと手元の案内用紙を確認すると、「岸辺駅集合」の文字。
    今自分がいるのは吹田駅前、これはやらかした。
    即座に改札へ向かい次列車に乗車、岸辺駅到着は集合2分前。
    17:00:30に受付、お待たせして申し訳ございません…
    バスに乗車すると、もう一人来ていないとのこと。
    しばらく待った上で発車、結果的に最後の参加者となった。

    会場に着くと、部品販売も並行して行われていた。
    EF66のホイッスルに惹かれるも、撮影会参加で既に家計は火の車。
    後ろ髪を引かれつつ乗務員室見学へ、職員の方に記念写真をお願いした。
    初めて座るELの運転台、見学時間は一瞬で過ぎ去った。

    段々と暮れゆく中、本命の撮影タイムへ。
    バルブにはまだ早い時間帯で写し方に悩むが、目の前の被写体に夢中でシャッターを切る。
    残照を浴びて輝く27号機、普段とは違った角度から捉える表情も魅力的に見えた。

    連日の超勤で疲労困憊、非番での参加となったため帰路の新幹線では深い眠りに。
    翌月の給与明細、超勤手当は過去最高を記録した。
    (EOS 5D Mark IV + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 「322M」・黒姫~古間・初代長野色

    北しなの線 黒姫~古間にて

    非番で帰宅後に仮眠、準備を済ませ中部横断道経由で長野へ向かった。
    久し振りの長距離ドライブ、日本シリーズをラジオ観戦しながら進んだ。
    全国旅行支援を利用し、この日は長野駅周辺で一泊した。

    翌日、ホテルのカーテンを開けると青空が見えた。
    前日に確認した運用では、初代長野色が妙高高原を往復する様子。
    数年振りに黒姫山バックのお立ち台へ向かうことにした。

    現地に着くと朝霧が立ち込め、山は姿を見せず。
    さらに急な腹痛に襲われ、「道の駅しなの」へ駆け込んだ。
    惨事を回避し落ち着いたところで戻ると、急速に霧が晴れてきた。
    俄然やる気が入り、三脚を2本据えて構図を整える。
    踏切が鳴るとカーブの先から115系が姿を見せた。
    懐かしいモーター音を響かせて、黒姫山を背に走り去っていった。
    (EOS 5D Mark IV + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 「ひだ12号」・飛騨一ノ宮~久々野・臥竜踏切

    高山本線 飛騨一ノ宮~久々野にて

    新形式投入に伴い、キハ85系「ひだ」にとって最後の紅葉となる今シーズン。
    連日Twitterを覗いていると、沿線の紅葉はピークを迎えている様子。
    友人から誘いを受け、一泊二日の撮影計画を立てた。

    名古屋駅8:43発「ひだ3号」で高山へ、カミンズエンジンを堪能する。
    駅前でレンタカーを借り出し、41号線を南下する。
    途中、気になっていた高山ラーメン「高砂」へ立ち寄った。
    シンプルながら旨味のある味わいで、再訪を誓うとても美味しいラーメンだった。
    (個人的に、会津若松の「まこと食堂」に近いイメージ)

    腹ごしらえを済ませ、撮影地へ向かう。
    飛騨一ノ宮駅の岐阜方にある踏切付近から駅通過シーンを狙うこのポイント。
    望遠レンズで圧縮すると、背景に跨線橋と紅葉した木々が写り込む。
    到着後やって来た「ひだ10号」はHC85系、初の新型撮影となった。
    線路沿いの坂道を右往左往して構図を調整、住民のおばあちゃんと談笑して過ごす。
    写真は1時間後の「ひだ12号」を写したもの、立ち上るエグゾーストがカッコよかった。
    (EOS 7D Mark II + EF300mm F2.8L IS II USM)

  • 「EL急行」・抜里~家山

    大井川鐵道 抜里~家山にて

    休日の昼下がり、大井川沿いのライブカメラを眺めていた。
    駿遠橋は雲が多めの晴れベース、運が良ければ日差しが期待できそう。
    国1バイパスが混雑していたので、広幡ICから新東名を1区間課金。
    久し振りの島田金谷IC経由、地蔵峠の拡幅工事が進んでいた。

    広場の脇に車を停め、いつもの踏切に三脚を据えた。
    到着後すぐに12列車が通過、元東急車の運用だった。
    15:30過ぎ、笹間渡の鉄橋を渡るホイッスルが聞こえてきた。
    背景の山肌に漂う影に怯えつつ、切り位置は全開露出で迎えることができた。
    (EOS 5D Mark IV + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 681系「しらさぎ11号」・田村~長浜

    北陸本線 田村~長浜にて

    朝9時頃に起床、何気なくGPVをチェックする。
    西方面へ移動すれば、午後は晴れ間が期待できそうであった。
    微妙な天気が続く8月、この日を逃すと晴れカットがしばらく望めない。
    被写体を思案した結果、北陸線の「しらさぎ」が候補に挙がる。
    関西在住の後輩に相談すると、田村付近は開けていると作例が送られてきた。
    e5489で調べると、夕方の「しらさぎ11号」は9両編成で運転の様子。
    米原駅の発車は16:56、この列車を今日の狙いに定めた。
    Googleマップで当たりを付け、標準レンズだけの軽装で出掛けた。

    乗換途中、名古屋駅の「きしめん」で腹ごしらえ。
    2つ進んで米原駅で北陸線へ、さらに2つ進んで田村駅で下車。
    琵琶湖から吹き抜ける風が涼しく、思ったより暑さを感じなかった。
    予想通り綺麗な青空が広がり、立ち位置を変えつつ往来する列車を写す。
    段々と傾く光線、本命の列車に向けて構図を整える。
    17時を回ったところで踏切が鳴る、夕日を浴びた681系が近付いてきた。
    (EOS 5D Mark IV + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 「EL急行」・青部~崎平・大井川第二橋梁

    大井川鐵道 青部~崎平にて

    綺麗な青空が広がったこの日、必要な作業を放棄して撮影に出掛けた。
    新緑が眩しい絶好の撮影日和、シャッターを押さないと具合が悪くなってしまう。
    カメラバックに機材を詰め込み、362号を北上した。
    祝日のため交通量の増えた酷道、各所で対向車待ちを行う。
    富士城を越えた先にあるトンネル工事、終わりが見えないのか工事期間が延びていた。

    定番の第二橋梁、久し振りに長靴を履いて河原に下りてみた。
    レンズを変えながら構図を思案、背景の雲が良さげなので広角を選択。
    上りの10列車が通過して、しばらくすると遠くで汽笛が響いた。
    新緑に映える西武カラー、すっかり季節は夏光線となっていた。
    (EOS 5D Mark IV + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 「南アルプス51号」・青部駅・旧客夜行

    大井川鐵道 青部駅にて

    日本旅行主催の旅行商品として企画された旧客夜行。
    夜から翌朝にかけて新金谷~千頭間を2往復するダイヤで、千頭駅到着は6:58。
    真っ先に浮かんだこの構図、4月なら綺麗な朝日が当たるだろう。
    前日も訪れた大井川沿線、この日は早朝4時に自宅を出発した。
    野生動物の飛び出しに注意しながら362号を走り抜け、5時過ぎには現着。
    多数の先客を予想していたところ誰もおらず拍子抜け、みんなどこで撮るのだろう?

    三脚だけ据えてレンズを変えて試し撮り、いつも通りのサンニッパに落ち着いた。
    しばらくして続々と集まる同業者、やはり皆考えることは同じらしい。
    綺麗な朝焼けに包まれた青部駅、気付けば過去最高の動員となった。

    お手軽にアクセスできるこのアングル、地味に構図を組むのが難しい。
    好みの問題ではあるが、背景の架線柱をカットすると画面左が窮屈になってしまう。
    また、この場所は切り位置前後の軌道が向かって右に沈んでいる。
    この日もカメラ内の水準器では水平が出ていたが、モニターに表示された画像は右に傾いて見えた。
    DPPで現像する際に-0.75傾きを補正、しっくりする画像が仕上がった。
    (EOS 5D Mark IV + EF300mm f/2.8L IS II USM)

  • 「115系&143系コンプリート撮影会」・新潟車両センター

    新潟車両センターにて

    地元では10年以上前に運用から撤退し、見掛ける機会が少なくなった115系。
    新潟地区では多様なカラーリングが見られ、いつか訪問したいと考えていた。
    「新緑の時期に訪れよう」そう思っていた矢先、ダイヤ改正で運用離脱。
    新型車両への置き換えが完了し、もっと早く行けば良かったと後悔する。

    そんな中、JREモールで告知された「115系&143系コンプリート撮影会」。
    語呂合わせで¥39,115という価格設定、往復の新幹線代を考慮すると7万円を超えてしまう。
    複数回開催された検修庫内での企画も気になっていたが、勤務日と折り合いが悪く断念していた。
    今回は偶然休みと重なり、2日目なら問題なく参加できそうであった。
    軽い気持ちでえきねっとを覗くと、トクだ値15%がまだ予約可能。
    「払戻手数料なら¥320で済む…」悪魔のささやきもあり、気付くと往復の予約完了メールが届いていた。
    財務大臣に相談すると渋い顔、家計は既に火の車である。
    「自分自身の操作で予約戦争に勝ったら行けば?」という有り難いお言葉を頂戴した。

    発売開始は3月16日、12時の発売開始に合わせて自宅PC前に陣取る。
    事前に購入歴があるのでクレカ情報は登録済み、ログインを済ませて待機する。
    前売り10時打ちのような緊張感、12時ちょうどから少し遅れて発売中の表示が出た。
    アクセス集中により重くなったページを進み、カートに入れる。
    連絡先の入力に手こずったものの、なんとか12:01には「ご注文ありがとうございました」のメールを受信することができた。
    これで来月の赤字は確実なものとなった。

    撮影会前夜、N700系~E7系と乗り継ぎ新潟着。
    駅前の東横インで前泊、翌日の好天を願い就寝。
    迎えた当日、新潟駅前は今にも泣き出しそうな分厚い雲が広がっていた。
    「どうして…」日頃の行いを責めたのは言うまでもない。
    会場では圧巻の8編成並びが展開され、小雨降り出す曇天に悔しさが込み上げてきた。

    「国境の長いトンネルを抜けると快晴であった。」帰りの新幹線、窓の外には綺麗な青空が広がっていた。
    (EOS 5D Mark IV + EF24-70mm f/2.8L II USM)