長岡車両センターにて
「もうこれが最後ね…」赤く染まる家計簿を前に、苦渋の選択を迫られた。
2022年は有料撮影会が多く企画され、品川・田端・新潟・吹田と参加することができた。
JR東日本では数年以内に電気機関車が淘汰されるため、「今しかない」と説得して予算を捻出していた。
被写体を前に感覚が麻痺していたが、高頻度で数万円単位の出費は家計に大きなダメージを与えていた。
しかし、「あけぼの」「北陸」だけでなく「鳥海」「出羽」も同時に拝める機会は唯一無二。
「そもそも予約できないかもしれない、費用はその後考えよう」申込日は仕事のため妻に予約をお願いした。
迎えた予約開始時刻、1分後には新潟支社からのメールを受信していた。
歴戦のチケ取り争奪戦で鍛えられた猛者にとって、そこまで難易度は高くなかった様子。
最後の撮影会になるかもしれないが、参加権を無事に得ることができた。
全国旅行業支援の期間だったこともあり、前日は長野で小諸そばを食し善光寺詣りを済ませた。
当日昼前に現地入り、午前中の会では少し晴れ間があったらしい。
空を見上げると、どんよりとした雲が広がるも僅かに青空も見える。
午後の部が始まり、時折日差しが復活するタイミングが出てきた。
本命は6両横並びでのヘッドマーク掲出、このタイミングで太陽に頑張ってほしい。
参加者の願いが通じたのか、再度西の空に雲の切れ目が出現した。
西日を浴びて勢揃いするEF64、静まる会場にシャッター音が響く。
数分後に太陽が雲隠れ、運良く狙いのカットを持ち帰ることができた。
(EOS 5D Mark IV + EF24-70mm f/2.8L II USM)