はげやま

  • 「202列車」・閑蔵駅

    井川線 閑蔵駅にて

    奥大井へ向かう後輩の車に便乗し、この日も井川線へ。
    前日も訪れたが曇天、今日は晴れ間が期待できそう。
    ダイヤ改正で接阻峡温泉以遠の列車が2往復となった井川線、時刻表とにらめっこ。
    402列車は沢間駅で手堅く一枚押さえ、閑蔵駅へ向かった。

    42号トンネルの左上、今年も綺麗に桜が咲いていた。
    斜面から中望遠で狙うか、線路脇から広角で狙うか、青空が綺麗だったので広角を選択。
    以前の作例を見ながら構図を整えると、遠くから独特の接近音が聞こえてきた。
    (EOS R6 Mark II + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 「HC85系試運転」・打保駅

    高山本線 打保駅にて

    陸橋上での撮影を終え、黒姫駅へ歩いて戻る。
    先週は列車待ちの間に駅そばを食すことができたが、今日は残念ながら開店前。
    下り列車で1つ進み、妙高高原で「妙高はねうまライン」に乗り換える。
    関山・二本木と懐かしい駅名を通り過ぎ、上越妙高から北陸新幹線に乗車する。
    東海道沿線民にとって、日本海側を走るW7系はとても新鮮。
    デンカ青海工場など趣味的に気になる車窓を眺めながら、あっという間に富山着。
    1週間振りの富山駅、今日は駅近くのオリックスレンタカーへ立ち寄った。

    狙いは夕方の1031D、それまでしばらく時間がある。
    手元の時刻表を確認すると、打保駅で新旧ひだが離合する様子。
    スノーシェッドを備えた山間の無人駅、以前から気になっていたので足を延ばすことにした。

    国道41号線から途中360号線を経由して、1時間程のドライブ。
    駅前に車を停め周囲を見渡すと、猪谷方にスノーシェッドが佇んでいた。
    転轍機には融雪装置を備えており、豪雪地帯なのだと改めて実感。
    1034Dと1027Dの行違いを撮影しようと準備すると2人の同業者が。
    挨拶して談笑すると、共通の知人がいることが分かり盛り上がる。
    撮影後撤収するべく片付けていると、列車接近のアナウンスが入った。
    何が来るのか、3人で確認するとHC85系が下っていった。
    「試運転なら境界駅まで行かずに、隣の杉原で折り返すのでは?」
    せっかくなので3人で待ってみることに、40分程で運良く折り返してきてくれた。
    ダイヤ改正以降はグリーン車の入線が無くなるため、貴重な姿を捉えることができた。
    (EOS R6 Mark II + EF50mm F1.4 USM)

  • 3月7日「322M」黒姫山

    「322M」・黒姫~古間・黒姫山・湘南色
    「322M」・黒姫~古間・黒姫山・湘南色

    北しなの線 黒姫~古間にて

    3/6の夜、夕飯を食べながら何気なくGPVを見ていた。
    翌日はオープン戦のチケットを買っており、野球観戦に行くはずだった。
    ふと長野付近を見ると翌朝は黒く抜けている。
    富山側も午後まで同様で、先週と同じ行程で晴れるかもしれない。
    しなの鉄道の運用を確認すると、朝の妙高高原往復に湘南色が入る様子。
    乗換案内を素早くチェック、30分後の列車に乗れば今日のうちに長野駅まで行けるらしい。
    妻から「たまには弾丸で行ってきたら?」と有り難い一言。
    思い立ってから10分後、気付けばカメラバックに機材を詰め込んで駅へ向かっていた。

    貯まっていたJREポイントを利用して予約、東京駅から最終の「あさま」に乗車した。
    車中で長野駅前の宿を確保、こちらも宿泊サイトのポイントを活用。
    日付が変わる頃にチェックイン、早朝に備えてすぐに就寝した。

    明け方の長野駅、5番線ホームには湘南色のS3編成が佇んでいた。
    せっかくなのでMc車に乗車、黒姫駅までボックスシートの旅を堪能する。
    1週間前にも訪れた道を辿り、20分程で線路を跨ぐ陸橋に到着。
    先程乗車した湘南色が30分程で折り返してくる。
    足元の雪はだいぶ溶けており、先週よりも高い気温に季節の移ろいを感じた。
    前回よりも通過時間が早いため、足元の雪で高さを稼ぎ正面がちの縦構図を選択。
    うっすらと朝靄が漂い、春の訪れを感じさせる一枚となった。
    (EOS R6 Mark II + EF70-200mm f/2.8L IS II USM)

  • 「尾久車両センター 機関車撮影会」

    尾久車両センターにて

    2月に参加した夜間撮影会、次回も機会があれば参加したいと考えていた。
    定期的にJR東日本のプレスリリースを確認していると、10月に再戦の機会が巡ってきた。
    手元の勤務表を確認すると、10/1は休日の予定。
    秋口の開催ということで、昼間の部でも晴れるだろうか。

    尾久車両センターと名称が変わったものの、撮影会の会場は従来通り。
    3回に分かれている昼間の部のうち、光線が良いのは1部か2部か。
    太陽の位置アプリと相談した結果、第2部を選択。
    一回あたりの人数が増えたため、今回はすんなりと予約することができた。

    迎えた当日、朝から雲ひとつ無い快晴で会場へ向かう足取りも軽い。
    交検庫内で説明を受け、ヘルメットを被りいざ仕業線へ。
    目の前には鮮やかな青と赤の機関車が並び、一同夢中でシャッターを押していた。
    (EOS 5D Mark IV + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 「326M」・黒姫~古間・黒姫山・初代長野色

    北しなの線 黒姫~古間にて

    何気なくTwitterを見ていると、立山連峰がとても綺麗に見えている様子。
    GPVをチェックすると、明日も甲信越~北陸地方は黒く抜けている。
    高山線に通う後輩へ連絡したところ、明日は夕方の立山バックへ出撃するとのこと。
    自分も同行する旨を伝え、脳内で旅程を組み始める。
    しなの鉄道のHPを見ると、初代長野色が良さげな運用に就く予定。
    翌日の行程が決まり、えきねっとで座席を予約することにした。

    延伸してから初の北陸新幹線、「かがやき」は大宮を出ると長野まで停まらない。
    あっという間に長野着、北しなの線に乗り換えて黒姫を目指す。
    前回乗車した時は「妙高」が走っていたので15年程前だろうか、気付けばJR線ではなくなっていた。
    三才・豊野と聞き覚えのある駅を過ぎ、車窓から冠雪した美しい山々が見えてきた。
    40分程で黒姫駅に到着、昔の記憶を頼りに歩き出す。
    凍結した日陰で転倒しそうになるも無事に目的地へ、陸橋からは素晴らしい景色が広がっていた。
    積雪で一段高くなったガードレール脇に三脚を据え、カメラをセットする。
    見渡す限り雲ひとつ無い青空の下、列車を待つ時間は至福のひとときだった。
    (EOS R6 Mark II + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 「N700a・X77編成」・三島~新富士・中里地区

    東海道新幹線 三島~新富士にて

    江間いちご狩りセンターからの帰り道、天気が良かったので中里地区に立ち寄った。
    三島付近では雲が掛かっていたが、到着時には山頂までスッキリと見渡せた。
    夕方では珍しい好条件、意気揚々と三脚を据える。
    宝永火口に影が生まれ、朝方とは違った雰囲気で撮影できる。
    写真は16:00頃に通過した735A、検査明けなのか比較的綺麗な編成だった。

    現地で撮影していると、外国から訪れたと思われる夫婦に話し掛けられた。
    「Can you speak English?」
     ―「A little.」
    聞くと新富士駅からタクシーでやって来たが、帰りの手段に困っているらしい。
    Mamiyaの中判カメラを携えるご主人とご婦人、軽自動車ではあるが定員的には問題ない。
    「良かったら新富士駅まで乗っていきますか?」咄嗟に提案すると、夫婦に笑顔が弾けた。
    拙い英語でもなんとか伝わったらしい、ありがとう義務教育。
    「構図を変えてもう一枚撮りたい…」身振り手振りで単語を発する。
    「One more OK?」
     ―「Of course!」
    次列車までしばらく待つと思ったのだろうか、3分後だと伝えると驚いていた。
    さすが日本が誇る”Shinkansen”、冷静に考えると凄いダイヤである。
    次の列車を撮り終えてから、新富士駅までお送りすることにした。
    出発前に、ご主人がフィルムで富士山をバックに記念写真を撮ってくれた。

    遥々チェコから訪れ、京都から東京へ向かう途中に立ち寄ったらしい。
    Japan Rail Passを使用した2週間の旅行で、先週は広島や大阪を巡ったそう。
    新幹線での移動は速くて快適だと語っていた2人、なんだかこちらも嬉しくなる。
    新富士駅で別れ際にメールアドレスを伝え、改札口まで見送った。
    “Have a nice trip!”、新幹線撮影を通して不思議な異文化交流を体験したのであった。
    (EOS R6 Mark II + EF70-200mm f/2.8L IS II USM)


  • 「N700S・J31編成」・三島~新富士・中里地区

    東海道新幹線 三島~新富士にて

    年明けに届いた新機材、EOS R6 Mark II。
    中級機でありながら30万円を超える価格設定、気軽に購入できるカメラではなくなった。
    いずれ登場するであろうR1まで資金を貯めるか迷っていたが、被写体は年々引退していく。
    これまで愛用してきた5DⅣと比べて画素数では劣るものの、AF性能は大幅に向上しているらしい。
    容易にモニターで拡大できる現代において、多少のピンボケですら即失敗写真となってしまう。
    以前よりピント精度に対する要求は高くなり、今目の前の被写体に集中するため導入に踏み切った。

    初運用は富士山が綺麗に見えていたので、中里地区へやって来た。
    例年より雨の日が少なく、冠雪具合は控えめなものの綺麗な山容が迎えてくれた。
    メカシャッターと電子シャッターの比較、AFの動作を確認しながら往来する列車を写す。
    写真は8:45頃に通過した207A、気付けばN700Sも多く見掛けるようになっていた。
    (EOS R6 Mark II + EF70-200mm f/2.8L IS II USM)

  • 「試9457M×333M」・函南駅・315系・C102編成

    東海道本線 函南駅にて

    「315系が函南まで入線するらしい」と誘われ、夜の東海道線に乗り込んだ。
    先輩と共に1時間前に現着、日中気温が上がったためホーム上の寒さも落ち着いていた。
    函南駅の上1線は山側に折標があり、4両編成の停止位置に合わせてポジションを決める。
    到着前の普通列車から数人の同業者が下車し、10人程で仲良く315系の到着を待った。
    21:49、見慣れない明るいライトが近付いてきた。

    ヘッドライトは明る過ぎて撮れないため、折り返しの姿を何枚か写すことにした。
    途中、沼津行きの333Mが下本線を着発するシーンが見られた。
    315系にとって、恐らく初めて顔を合わせるE231系。
    数年後には日常的に見られるであろう、静岡地区の新しい光景だった。
    (EOS R6 Mark II + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 「EF64コンプリート撮影会」・長岡車両センター

    長岡車両センターにて

    「もうこれが最後ね…」赤く染まる家計簿を前に、苦渋の選択を迫られた。
    2022年は有料撮影会が多く企画され、品川・田端・新潟・吹田と参加することができた。
    JR東日本では数年以内に電気機関車が淘汰されるため、「今しかない」と説得して予算を捻出していた。
    被写体を前に感覚が麻痺していたが、高頻度で数万円単位の出費は家計に大きなダメージを与えていた。
    しかし、「あけぼの」「北陸」だけでなく「鳥海」「出羽」も同時に拝める機会は唯一無二。
    「そもそも予約できないかもしれない、費用はその後考えよう」申込日は仕事のため妻に予約をお願いした。
    迎えた予約開始時刻、1分後には新潟支社からのメールを受信していた。
    歴戦のチケ取り争奪戦で鍛えられた猛者にとって、そこまで難易度は高くなかった様子。
    最後の撮影会になるかもしれないが、参加権を無事に得ることができた。

    全国旅行業支援の期間だったこともあり、前日は長野で小諸そばを食し善光寺詣りを済ませた。
    当日昼前に現地入り、午前中の会では少し晴れ間があったらしい。
    空を見上げると、どんよりとした雲が広がるも僅かに青空も見える。
    午後の部が始まり、時折日差しが復活するタイミングが出てきた。
    本命は6両横並びでのヘッドマーク掲出、このタイミングで太陽に頑張ってほしい。
    参加者の願いが通じたのか、再度西の空に雲の切れ目が出現した。
    西日を浴びて勢揃いするEF64、静まる会場にシャッター音が響く。
    数分後に太陽が雲隠れ、運良く狙いのカットを持ち帰ることができた。
    (EOS 5D Mark IV + EF24-70mm f/2.8L II USM)

  • 11月中旬にマップカメラで予約したR6Ⅱ、在庫確保の連絡が12月25日に入った。
    手持ちの5DⅣや妻所有で使用機会の少なかったD7500を下取りに出し、折り返し届いたのが1月3日だった。

    ヨドバシカメラで付属品を予め注文、久し振りに使用するSDカード。
    マウントアダプターは台湾製、EF40mm F2.8 STMのようなサイズ感である。
    早速保護フィルムを貼り付け、日付や記録画質など初期設定を行う。
    従来のLP-E6Nと互換性があり、手持ちのバッテリーを活用できるのが有り難い。
    ※この場合、連写速度が落ちる模様。

    翌朝、試運転を兼ねて新幹線撮影の有名地・中里地区へやって来た。
    三脚にセットした後ろ姿は、これまでのデジタル一眼レフカメラを踏襲しているように思う。
    レリーズについて、これまでメインで使用していたRS-80N3ではなくRS-60E3となった。

    EOS R6 Mark IIの特徴として、「鉄道にも対応したトラッキング性能」と「秒間40コマの電子シャッター」が挙げられる。
    カメラを構えて最初に驚いたのがAIサーボ、喰い付いたら離さないという謳い文句そのままだった。
    画面右下から左方向へ200km/h以上で突き進む新幹線に対して、予め配置したAF測距点から追尾し続けた。
    この場所では置きピンで問題なく済むが、ピント面を合わせにくい状況で今後活躍してくれそうである。

    これまで使用してきた機材でも電子シャッターは搭載されていたが、バルブ撮影時など使用機会は限定的だった。
    「動きモノで電子シャッターは歪む」と周囲から聞いていたため、沿線撮りでは専らメカシャッターだった。
    R6Ⅱのメカシャッターは最高秒間12コマ、7DⅡを凌ぐドライブ性能を有している。
    これまでの機材に比べれば十分高速であるが、新幹線など高速で動く被写体に対しては失敗もあり得る。

    電子シャッターの秒間40コマではどうか、同条件下で試してみた。
    上(メカシャッター)は8:45頃通過の207A、下(電子シャッター)は10分後に通過した15Aを撮影した。
    (前後の列車間隔によって同じのぞみ号でも通過速度が変わるので厳密な比較にはならない)

    もはや未踏の境地、新幹線であっても撮り逃がさない驚異的な連写速度であった。
    一回レリーズすると何枚記録されるのか、瞬く間にデータが蓄積されていく。

    一方で、電子シャッター使用時の被写体の歪みはどうか。
    カメラのモニターでは判別できなかったので、帰宅後PCで確認した。

    拡大すると、電子シャッターで撮影した画像は右上に流れているのが分かる。
    高速で走行する新幹線をほぼ真横から撮影するという条件下では少し厳しかったかもしれない。
    大きく引き伸ばす場合などは避けた方が良さそうだが、自サイトで楽しむ分には十分だと思う。
    被写体の移動速度や画面内での見え方によって、両者を使い分ける必要があると感じた。
    (EOS R6 Mark II + EF70-200mm f/2.8L IS II USM)